AV女優について良く寄せられる質問が、「AV女優って辞めたらどうするの？」というもの。
良く「AV女優やったら人生終わり」というようなことが言われるが、それは、AV女優という職業が底辺の仕事とされていたかつての認識の名残りと思われる。
確かに、アダルトビデオに顔出ししているから、社会的な負い目を多少は負ってしまうという事実はあるが、それも本人の心の持ち次第。
かつてビデオに出演していたことが、新しい社会生活の中でバレて、人間関係が破綻したりすることは、極めて運の悪いケースと言える。
ビデオに出た経歴はずっと自分の中で秘密にしておけば良いし、バレても、そういうこともありました、と笑顔で開き直ってしまえばいい。
実際には、かつてAV女優だったことを生かして活躍している元AV女優もいるし、元AV女優でも小室友里のように幸せな家庭を築いている人はいる。
活躍している元AV女優の例としては、2003年にマルチタレントに転身した及川奈央（子供番組の「炎神戦隊ゴーオンジャー」にレギュラー出演、NHK大河ドラマ「龍馬伝」に出演）、また、夕樹舞子、蒼井そら、小澤マリアなどは、香港や台湾、中国など東アジア諸国で根強い人気を誇っている。
特に蒼井そらは、中国では知らない者がいないほどの国民的なアイドルになっている。
2008年に放送が開始されたテレビ東京系深夜番組「おねがい！マスカット」に出演するAV女優たちで結成されたアイドルグループ「恵比寿マスカッツ」は大ブレイクである。
AVアイドルから芸能界への道は今や一般的となっている。
AVアイドルに至らなくても、AV女優ならでは異性を惹きつける力で、良き夫に恵まれたり、高級ソープランドや高級デリバリーヘルスなどの風俗で活躍したりすることも珍しくない。
それ以外にも、貯めたお金でヘアメイクや看護師などの資格取得のための学校に行き直したり、普通のOLの就職口を探したり、アダルト系のマガジンライターになったり、モデルプロダクションの社長やマネージャーになったり、と恐らく意外に思われるほど進路は多彩である。
一番大事なのは、仕方なくAV女優になって、後ろめたい気持ちで、仕事をしないことである。
積極的にAV女優になって、明るく楽しく仕事をこなそうとしていれば、自ずからその後の進路も開けてくる。但し、極端に時間にルーズだったり、自殺癖があるなどの精神的な問題がある場合は、元AV女優に限らず、社会適応は難しい。
元AV女優というと眉をひそめる人も多いが、男性の多くがAV女優が大好きであり、むしろ一度は会ってみたいと思っているはずである。
AV女優であることに誇りをもって、常に前向きに生きていけば、その後の人生など心配することはないと考えるべきである。

[参考]　職業としてのAＶ女優 (幻冬舎新書)　中村淳彦著